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暖を取る / to warm oneself / 出羽三山神社松例祭

祭事には炎は重要だ。
高揚もすれば、見ているだけで落ち着く事もある。

今回の松例祭で、何のお役目が在る方なのかは、まったく存じ上げませぬが、この御方は只者ではあるまい。
　
言葉を発せずとも、この佇まいから滲み出る風格品格は、その場に居合わせたものなら誰でも感じるであろう。

荒ぶる若頭達を、部屋の片隅でずっと見守っていた。

村の若頭たちが酒を飲み大声で語り合ったりしている背後から、何やら強力な気配を感じたので振り返ってみると・・・

いましたいました。
混沌としたその場を仕切るかのように、一際オーラを放っていらっしゃるのは、今回の大ボスです。

賑やかな場所に引き寄せられるように近づいていった。戸は閉められていたが幸いにもガラス格子だったので中の様子が良く見渡せた。暫く表から見ていると、ラッキーにも関係者さまらしき人に招き入れてもらえた。

もうもうと焚かれた薪火を囲むように、すでに部屋は沢山の人で溢れている。どうにかこうにか潜り込み、まずは気配を消して様子を伺うことにした。

出羽三山神社で行われている松例祭には夕方到着した。300台確保されていると言う駐車場に、なんといつもの定位置に難なく車を停めることが出来た。ある意味、拍子抜けだった。

観光客は思ったよりも少なく、ほぼ祭の関係者、村の人々ばかりの様な感じすらした。

お恥ずかしながら私は、予備知識ほぼゼロに近い状態で現地に入ったので、何が何処で行われているかなどまるで分からない。仕方なく、境内を散策する事にしたのだが、いつもはひっそりとしていた場所が、今日はやけに賑やかだ。雪を除雪して出来た壁に蝋燭によるライティングがされていていたのだった。

光に導かれるように建物に行ってみると、中は異様なまでの熱気に包まれていた。