日本一の鮨屋のお話 | 小倉の『もり田』

番外編は小倉です。
長崎から車で一気に東京まではきついので、途中お泊りしなくてはなりません。
でへへ、実は本当の理由は・・・

あ、この写真の猫ちゃんは西海橋でみつけました。
エントリーとは関係ありません。


ワタクシは自他ともに認める鮨通でして、と言うか鮨好きなのです。
で、基本的には鮨は江戸に限るって思っています。かなり偏っています(^^ゞ。
よく港町の鮨屋は取れたて新鮮だから安くて旨いって思われ勝ちですが、新鮮なモノがありゃ良いってもんじゃないのが鮨の奥深さじゃないでしょうか。

やはり大事なのはヒトです。

と言う事で、ワタクシが日本一の鮨屋だって思っている場所は江戸じゃなくて小倉にあるんです。
場所柄なかなか行けませんが、九州には何かと縁があって、そこそこ足を運んでいます。もっとも今から紹介する鮨屋を知ってからと言うものの、それがモチベーションに繋がって、無理やり九州に仕事を作ったりもしています。なので今回の長崎への旅のクライマックスも実はこれだったかも・・・ぶはは。

さてさて、この鮨屋さん、全部で9名座れるカウンターだけの小さなお店です。
基本的には大将がひとりで握っています。板場にはアシストするあんちゃんと、奥の調理場で、お椀ものや焼き物を担当しているオバちゃん、それにフロアーには女将さんと、オバちゃんひとり。

そして暖簾をくぐると・・・
久しぶりの懐かしい顔がスグに見えました。
威勢の良い声で “えっ いらっしゃいっ!” 満面の笑顔で迎えてくれます。
この大将、御年75歳。現役バリバリである。
うちの奥様の長崎の父上も同じ歳。うちのオヤジが生きていれば同年である。

暫くぶりの挨拶もソコソコにして飲み物を注文する。
まずはビールと言いたいところだったけど、死ぬほど鮨を食いたかったので、いきなり日本酒をお願いする。銘柄は大将まかせだ。と言うか、勝手に決められてしまう。日本全国食べ歩き、飲み歩きをして探してきた、これぞと思うものを、いつも用意している。最初に出された軽いつまみと一緒に、ひとくちふたくち、ちびちびと。つかみはオッケーだ。

日本酒以外のオーダーは何もしてないのだが、ここから先は大将任せなのだ。
この場合、お通しと呼んで良いのかわからんけど、しっかりと下ごしらえされたつまみと、一品づつ切り分けられていく刺身に箸をつけつつ、お酒も少々。また少々。それからまた少々。ぶはは。
楽しい会話と共に、至福の時間は過ぎて行く。
グルメなブログなら、ここまで出された料理も詳細にレポートするところだけど、はい、端折ります(^^ゞ。

ひととおり落ち着いた頃合を見計らって、大将の顔つきが変わります。
無駄の無い所作で握られた最初のひとつめを “さて、ぼちぼち始めようか” と、目の前の黒塗りの漆器の上にそっと置かれた。
何と言う間合いだろう。
おしゃべりはやめて、とっとと口に運ぶ。
“うまいっ” すみません、これ以外に形容できません。

全ての握りはひと手間ふた手間かけられ、いちいち工夫があるもので、醤油はつけずにそのままいただく。そのどれもが絶品である。

あとは旬のものが目の前に出されていくのを、こちらもリズムよく口の中に入れる。
いくつか食べた頃に女将さんが登場した。

実はこの日、女将は昼であがっていたらしい。
御年68歳である。
我々が来て会いたがっていたら、大将が呼び出してしまったのだ。
ばっちりメイクも決めて戦闘態勢ですよ。
“ようこそ” うわっ、いつもの声だ。
恐縮至極でしたが無茶苦茶嬉しかった。
そしてお店にはもうひとつ華が添えられたのでした。

さてさて一通りの、モノがでたのでしょうか。最後のシメを前にして、ようやくこちらの気分を聞いてくれた。
“良かったらお好みをどうぞ”
普通だったら充分満たされている量だけど、ここは日本一の鮨屋だぜ、これじゃ終われませんよ。

あ、そうそう、思い出した。ワタクシがボクネンズアート東京を立ち上げる前の話ですが、大成功だった小倉での展覧会の打ち上げに後輩を連れてきて、この場面で言った言葉が・・・

“も、もう一周お願いします” だった。

おぃおぃこらこらって、言いたかったけど、何しろ大成功な展覧会だったので、太っ腹にも、みんなでもう一周を楽しんだのでした。今は流石に無理ですよ。いえ、懐具合じゃなくて量の事ね。ぶはは。もっとも懐具合も気になりますが、ここに来ると、そんなことどうでも良くなっちゃうくらいの気分にさせられてしまいます。もちろん後悔もないんです。そんなところ滅多にないですよ。

とまぁ、脱線しまくりなレポートでしたが、ひとつふたつお好みでお願いしたあと、最後のシメの握りを平らげ、口直しのモノもいただき大満足で終わりです。

優れた料理人は、優れた芸術家と同じくらい凄いんです。
どちらも幸せな気分にさせてくれます。

そしてこの大将ね、これだけの仕事をしておきながら・・・
“時間があったら東京に修行しに行きたいんですよ” って言い出した。
どこまで凄いんだこの大将。腕が上とか下とかじゃないらしい。うちとは違う仕事なんだとか。

こっそり、その修行に行きたいと言わしめた鮨屋を聞き出した。
今度行ってみましょうかね。

余談ですが、お店には薄っすらと TINGARAが流れていました。
これまた恐縮の限りでございます。

予約が取りにくいので、あまり宣伝したくないけど教えちゃいます。
その店の名は『もり田』と言います。ググると一発で出てきました。

また行きたいよぉ。
9名のカウンター席を貸切でツアー組もうかな。
行きたい人いますか?
抽選になったりしてね。
ぶはは。

あぁ、鮨食いてぇ~。
お仕舞い。

コメント

  1. saki より:

    うううー刺激されます。
    これは行かなくてはなりません。
    今回はこのために(!?)お仕事頑張ります。

  2. saori より:

    はい、シャチョウ
    頑張ります!
    寿司食べたいです~

    先輩を見習って「もう一周!」言いたいな♪

  3. 寅さん より:

    ・・・ちょっと躊躇した後に。。。
    社長宜しくです。(~_~;)

    PS.
    八代の仕事が入ればOKでしょう!?

  4. ひでお より:

    sakiしゃん
    この機会を逃すとね・・・

    saoriしゃん
    おぉ、もう一周ですか。
    ぶはは。

    寅さん
    おぉ、その仕事がありましたね。
    ぜひぜひ、シクヨロ~。
    今行かないと、もう食べられなくなくかもです。

    おーい、まちゃ~~ん。
    あれ?
    ぶはは。

  5. 寧桜 より:

    ぬこ…。

    江戸前寿司って食べたこと無いんですよね。
    今まではもっぱら駿河湾産ばかり。
    桜エビの天麩羅が乗った蕎麦…。
    寿司から蕎麦に話が変わってしまった。

    一般庶民には遠い存在ですから…。

  6. ひでお より:

    寧桜さん
    てんぷらか・・・
    おぉ、てんぷら食べたくなったじゃん。
    ぶはは。

  7. フェリーチェ より:

    食べてみたい・・・
    お仕事頑張ったら、食べに行けますか~?
    私もお仕事頑張ります♪
    皆様のお荷物をお持ちいたします!
    って、その程度じゃ駄目ですよね~(^^;)

  8. ひでお より:

    フェリーチェさん
    ぶはは。
    希望者リストにエントリーしておきますね。

  9. まっちゃん より:

    > おーい、まちゃ~~ん。

    あいよっ。
    ちょっと出遅れてしまったけど。

    ここは絶対に行きたいです。
    だから、お仕事、がんばるっすよ。
    でかい仕事につながるように、がんばるっすよ。

    なので、あとは、寅さん、しくよろ〜(*^^)v

  10. ひでお より:

    まっちゃん
    おぉ、デカイ仕事。
    いいね。
    やっぱり仕事が絡むと俄然やる気が出るよね。

    越後屋にお代官様、シクヨロ~~。

  11. 寅さん より:

    越後屋は本日綺麗どころを揃えてパッとやりますがご一緒されますか?
    ・・・お代官様。。。(^_-)-☆

  12. ひでお より:

    おぉ、綺麗どころとな・・・
    いいないいな。
    越後屋さま、お代官さまぁ。
    ぶはは。

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