幽寂な湖畔

12年前の今頃、私は夜明け間近の湖畔に佇んでいました。風が凪ぎ、まるで大鏡のように静まり返った湖面には、鮮やかなオオヤマザクラが映り込んでいました。その息を呑むような美しさに、心が奪われた瞬間を今でも鮮明に覚えています。薄暗い中で桜の花々がほのかに輝き、湖面に映るシンメトリーな風景は、まるで時が止まったかのような幽寂な雰囲気を湛えていました。

この写真は、SIGMA DP3 Merrillで撮影したものです。夜明け前の微かな光を捉えるため、カメラの設定を慎重に調整しながらシャッターを切りました。出来上がった一枚は、あの時の静寂と美しさをそのまま閉じ込めたようで、撮影から12年経った今でも色褪せることなく私の心に残っています。

この度、この作品を今月末に開催されるIsland Gallery企画展『時のかけら』に出品する運びとなりました。全部で3枚を出展しますが、そのうちの1枚としてこの「幽寂な湖畔」を選びました。展示では、時の流れの中で切り取られた瞬間がどのように人々の心に響くのか、訪れる方々と共有できればと思っています。
あの日の湖畔の静けさ、そして桜の儚い美しさが、観る人の心にも小さな波紋を広げてくれることを願っています。


ロケ地 / 長野県中綱湖

+CAMERA
-SIGMA DP3 Merrill


Island Gallery 企画展 『時のかけら』
会 期 2025.4.29(火)-5.4(日)
会期中無休 入場無料
    open 11:00-18:00 / 最終日17:00まで
会 場 孔雀画廊
    104-0031 東京都中央区京橋2-5-18
    京橋創生館1F
協 賛 マルマン株式会社 Canson Infinity
主 催 Island Gallery

参加アーティスト (順不同・敬称略)
安斉紗織 / Giovanni Piliarvu / 平山孝一 /  オイ / 宿谷麻衣 / 石島英雄

※展覧会に関するお問い合わせはIsland Galleryへお願いいたします。


展示作品:『幽寂なる湖畔』『静謐なる時』ほか1点
ぜひ、足をお運びいただければ幸いです。

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